2018/06/05

Boz Scaggs ('69)

ボズ・スキャッグス&デュアン・オールマン
A1I'm Easy
アイム・イージー
B1Waiting for a Train
ウェイティング・フォー・ア・トレイン
A2I'll Be Long Gone
アイル・ビー・ロング・ゴーン
B2Loan Me a Dime
10セントを俺に
A3Another Day (Another Letter)
アナザー・デイ
B3Sweet Release
スウィート・リリース
A4Now You're Gone
君去りし時
A5Finding Her
俺の彼女
A6Look What I Got
ルック・ホワット・アイ・ガット
 たとえば大ヒットしたアルバム『シルク・ディグリーズ』を聴いてボズ・スキャッグスのファンになった人が、
「よっしゃこの人のアルバムをもっと聴いてみよう」
などと思って本作をうっかり手にしてしまったらどうなるでしょうか。レコード盤に針をそっと下ろして一聴するやいなや
(げえっ…)
と池波正太郎的な悲鳴を上げてしまうのではないか、そんな気がしてなりません。だって私がそうでしたから。

『シルク・ディグリーズ』とはあまりにもかけ離れた雰囲気。後年のボズからはとても考えられないような、泥臭く、垢抜けない、若き日の彼がそこにいるのです。
 洗練された都会のシンガーを期待すると、まんまと裏切られます。
 しかしボズのルーツはここにあります。ボズ・スキャッグスは『シルク・ディグリーズ』で突然、都会の絵の具に染まってしまったわけではなくて、この初期作から1枚1枚アルバムを出す毎に少しずつ、少しずつ、泥が抜けていったのです。

『シルク・ディグリーズ』の感動をもう一度!と思って購入した人には、これほど残念なアルバムはないでしょう。ところがボズ・スキャッグスのサクセス・ストーリーの第1章と考えれば、これほど興味をそそるアルバムはありません。
 サクセス・ストーリーというのは、そのスタート地点がサクセスから遠ければ遠いほど、面白いのですから。

 B1「ウェイティング・フォー・ア・トレイン」のヨロレーイー、ヨロレーイーを聴くと、ここから『シルク・ディグリーズ』までの道のりが、いかに長いものであるか思い知らされます。
 このアルバムから『シルク・ディグリーズ』に至る間の作品を、すべて聴いてみようという気になりました。
★★★

Dobro & Slide:
Duane "Skydog" Allman
Guitars:
Duane Allman, Eddie Hinton, Jimmy Johnson and Boz Scaggs
Keyboards:
Barry Beckett
Bass:
David Hood
Drums:
Roger Hawkins
Fiddle:
Al Lester

Horn Section on A1
Charles Chalmers: Tenor Sax
Floyd Newman: Baritone Sax
Ben Cauley: Trumpet

Horn Section on All the Other Selections
Gene "Bowlegs" Miller: Trumpet & Trombone
Joe Arnold: Tenor Sax
James Mitchell: Baritone Sax

Background Vocals Except A4
Jeannie Greene
Donna Thatcher
Mary Holiday

Background Vocals on A2 and A4
Tracy Nelson
Irma Routen
Joyce Dunn

Recorded at Muscle Shoals Sound Recorders, 3614 Jackson Highway, Muscle Shoals, Alabama
Recording Engineer: Marlin Greene
Mastering Engineer: Rob Grenell
Cover & Backliner Photos: Elaine Mayes
Inside Liner Photos: Stephen Paley
Album Design: Robert Kingsbury

Produced by Boz Scaggs, Jann Wenner and Marlin Greene

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