デオダート / アイアート・イン・コンサート
A1 | Do It Again ドゥー・イット・アゲイン | B1 | Tropea トロピア |
A2 | Spirit of Summer スピリット・オブ・サマー | B2 | Branches ブランチズ |
A3 | Parana パラーナ |
ジャズ・フュージョン・クロスオーヴァーの音楽シーンで、とんがったアルバムを濫造して先頭を走っていたCTIレーベル。
オーソドックスで保守的なジャズメンもいれば、長髪で鼻からコカインのロッカーもいた、そういう多士済々入り乱れての秩序なきドンチャン騒ぎこそCTIレーベルの最大の魅力ではないかと思うのであります。
個性あふれる人材がしょっちゅう出たり入ったりする狂騒にあって、ラテン人脈であるアイアートやデオダートも大いに活躍しました。
縁の下の力持ちといった日陰者のポジションに止まることなく、自身の名を冠したリーダー・アルバムを発表して人気者になっていたのです。
このアルバムは彼らのコンサートを収録したもの。
といってもアイアートとデオダートが共演しているわけではなく、アイアートのライヴが2曲、そしてデオダートのそれが3曲、各々を盛り合わせてLP1枚分の分量にしています。
アルバムとしての一貫性はやや乏しく、ブラジルという共通項で両者を強引に寄せ集めたというか抱き合わせたというか、いかにもクロスオーヴァーらしいごった煮っぷりがたまりません。
CTIレーベルのやりそうなことですよね。こういうの好きだなあ。
アイアートのライヴは北米マーケットへの色気をいっさい見せることなく、泥臭い自分たちの音楽を追求しています。純粋なワールド・ミュージックです。観客もなかなか盛り上がっています。
一方デオダートのそれは、レコードの内容に忠実です。レコードの感動をナマで再体験していただこうというサービス精神のあらわれでしょうか。それぞれの曲が、かなりの完成度にてスタジオ録音のバージョンを再現してるのです。
特筆すべきは、A1です。
これのスタジオ録音は、デオダートの『旋風』というアルバムに収録されていますので、ちょっと聴いてみて下さい。
スタジオ録音バージョンには、ストリングスはありません。ところがライヴ・レコーディングのA1には、ストリングスが賑々しく鳴り響いています。
ふつう、逆ですよね。
スタジオ・バージョンにはストリングスがあるのに、ライヴだとそれがないというのは、よくある話です。倒錯しています。どうしてこうなった?
まあ、そういうあたりもCTIレーベルらしいと言えます。
私がこのアルバムで気に入っているのは、A2のサビの部分。
音楽的エクスタシーというか。とにかく盛り上がる。ここでもストリングスがいい仕事しているんだな。
思えばモダン・ジャズとストリングスは、これまで一定の距離を置いてきたような気がします。
ストリングスを導入したジャズは、狷介固陋なジャズ・ファンからイロモノ扱いをされてしまったのです。
それがフュージョン・クロスオーヴァーの時代に入り、ようやくジャズとストリングスの幸福なタッグが実現します。
ヴァーヴ時代から、ことあるごとにジャズとストリングスの融和を試みてきたCTIレーベルのボスにしてプロデューサー、クリード・テイラーの地道な努力がここに花開いたわけです。
でもやっぱりそれはジャズの本流ではなくて、フュージョン・クロスオーヴァー路線が下火になるにつれ、ジャズはふたたびストリングスに背を向けるようになります。
まあ単純に、ストレート・アヘッドなジャズの制作現場では、あまりおカネが回らないためにストリングスを動員できないってことだけなのかもしれませんけどね。
オーソドックスで保守的なジャズメンもいれば、長髪で鼻からコカインのロッカーもいた、そういう多士済々入り乱れての秩序なきドンチャン騒ぎこそCTIレーベルの最大の魅力ではないかと思うのであります。
個性あふれる人材がしょっちゅう出たり入ったりする狂騒にあって、ラテン人脈であるアイアートやデオダートも大いに活躍しました。
縁の下の力持ちといった日陰者のポジションに止まることなく、自身の名を冠したリーダー・アルバムを発表して人気者になっていたのです。
このアルバムは彼らのコンサートを収録したもの。
といってもアイアートとデオダートが共演しているわけではなく、アイアートのライヴが2曲、そしてデオダートのそれが3曲、各々を盛り合わせてLP1枚分の分量にしています。
アルバムとしての一貫性はやや乏しく、ブラジルという共通項で両者を強引に寄せ集めたというか抱き合わせたというか、いかにもクロスオーヴァーらしいごった煮っぷりがたまりません。
CTIレーベルのやりそうなことですよね。こういうの好きだなあ。
アイアートのライヴは北米マーケットへの色気をいっさい見せることなく、泥臭い自分たちの音楽を追求しています。純粋なワールド・ミュージックです。観客もなかなか盛り上がっています。
一方デオダートのそれは、レコードの内容に忠実です。レコードの感動をナマで再体験していただこうというサービス精神のあらわれでしょうか。それぞれの曲が、かなりの完成度にてスタジオ録音のバージョンを再現してるのです。
特筆すべきは、A1です。
これのスタジオ録音は、デオダートの『旋風』というアルバムに収録されていますので、ちょっと聴いてみて下さい。
スタジオ録音バージョンには、ストリングスはありません。ところがライヴ・レコーディングのA1には、ストリングスが賑々しく鳴り響いています。
ふつう、逆ですよね。
スタジオ・バージョンにはストリングスがあるのに、ライヴだとそれがないというのは、よくある話です。倒錯しています。どうしてこうなった?
まあ、そういうあたりもCTIレーベルらしいと言えます。
私がこのアルバムで気に入っているのは、A2のサビの部分。
音楽的エクスタシーというか。とにかく盛り上がる。ここでもストリングスがいい仕事しているんだな。
思えばモダン・ジャズとストリングスは、これまで一定の距離を置いてきたような気がします。
ストリングスを導入したジャズは、狷介固陋なジャズ・ファンからイロモノ扱いをされてしまったのです。
それがフュージョン・クロスオーヴァーの時代に入り、ようやくジャズとストリングスの幸福なタッグが実現します。
ヴァーヴ時代から、ことあるごとにジャズとストリングスの融和を試みてきたCTIレーベルのボスにしてプロデューサー、クリード・テイラーの地道な努力がここに花開いたわけです。
でもやっぱりそれはジャズの本流ではなくて、フュージョン・クロスオーヴァー路線が下火になるにつれ、ジャズはふたたびストリングスに背を向けるようになります。
まあ単純に、ストレート・アヘッドなジャズの制作現場では、あまりおカネが回らないためにストリングスを動員できないってことだけなのかもしれませんけどね。
★★★ | 採点表を見る |
Musical Supervision and Additional String Arrangements by Bob James
Recording Engineer: Rudy Van Gelder
Recorded Live at the Felt Forum of Madison Square Garden Center
Electric Piano Solos on Deodato: Deodato
Vocal Solos on B2: Airto & Flora
Guitar Solos on Deodato: John Tropea
Guitar Solos on Airto: David Amaro
Piano Solos on Airto: Hugo Fattorso
Cover Photograph by Pete Turner
Liner Photograph on Deodato by Dean Brown
Liner Photograph on Airto by Frederico Mendes
Album Design by Bob Ciano
Produced by Creed Taylor
Recording Engineer: Rudy Van Gelder
Recorded Live at the Felt Forum of Madison Square Garden Center
Electric Piano Solos on Deodato: Deodato
Vocal Solos on B2: Airto & Flora
Guitar Solos on Deodato: John Tropea
Guitar Solos on Airto: David Amaro
Piano Solos on Airto: Hugo Fattorso
Cover Photograph by Pete Turner
Liner Photograph on Deodato by Dean Brown
Liner Photograph on Airto by Frederico Mendes
Album Design by Bob Ciano
Produced by Creed Taylor
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