2019/05/18

Ray Barretto / Indestructible ('73)

A1El Hijo De ObatalaB1La Orquesta
A2El DiabloB2Llanto De Cocodrilo
A3Yo Tengo Un AmorB3Ay No
A4La FamiliaB4Indestructible

 面白いことをするときは、真面目な顔をしてやれ。ゴージャス・ジョージの時代から今なお変わることのない、コメディの約束事です。
 クラーク・ケントのコスプレをしているレイ・バレットの表情は、真剣そのもの。照れや遊び心はありません。

 思えばコンガという打楽器、あらゆるジャンルのポピュラー音楽で、リズムに合わせてポコポコ鳴っていますよね。しかし誰が叩いているのか、あんまり気にしたことはありません。出しゃばられても、主役のジャマをしてうるさいだけですし。リズムを外さず、地味にかつ静かに、伴奏に徹する、そういうもんだと思っていました。裏方から主役を立てる、星飛雄馬のねえちゃんみたいなポジション。

 本作はコンガ奏者のリーダー・アルバム。だからコンガの音が鳴りっぱなし。コンガの音をめいっぱい大きく収録した、いびつな録音バランスも、コンガが主役なのだから仕方ありません。『ジャコ・パストリアスの肖像』で、やけにベースの音が大きいのと同じこと。ときどきコンガの音があまりにでかくてヴォーカルが埋もれそうになります。

 コンガのソロ・スペースをたっぷり取ったA1やB1など、コンガ好きにはたまらないでしょう。手の平がまるで踵のように硬かった、という伝説さえあるレイ・バレット。その打撃音の激しいこと。

 B2は曲名である"Llanto De Cocodrilo"を連呼しています。それが「おう雀荘ってここでいいの」と聴こえてしまうんだよなあ。サルサのスペイン語って、けっこう日本語に聴こえること多いです。

 タイトル曲B4は、ティンバレスのリトル・レイ・ロメロが大ハッスル。レイお前もがんバレット思いましたよ。

★★★

Arranged by Louie Cruz (A1, A2, B2, B3), Eddie Martinez (A3, B1, B4), Louie Ramirez (A4)
Vocals: Tito Allen
Produced by Ray Barretto
Executive Producer: Jerry Masucci

Musicians
Roberto Rodriguez: Trumpet
Joseph (Papy) Roman: Trumpet
Manuel Duran: Trumpet & Flugelhorn
Art Webb: Flute
"Little" Ray Romero: Timbales
Tony Fuentes: Bongos
Julio Romero: Bass
Eddie Martinez: Piano
Ray Barretto: Conga
Coro: Menique & Hector Lavoe

Recorded at Good Vibrations Sound Studios, 1440 Broadway, N. Y. C.
Super-Engineer: Jon Fausty
Album Design and Supershirt Construction: Walter Velez / WE-2 Graphic Designs, Inc.
Cover Photo by Roberto Schneider

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