2018/06/20

The Jeff Lorber Fusion / Water Sign ('79)

ジェフ・ローバー・フュージョン / ウォーター・サイン
チック・コリアが発掘したニュー・グループ、ジェフ・ローバー・フュージョン注目のアリスタ移籍第一弾!
ジェフ・ローバー(Keyb)を中心に'80年代トップ・グループをめざす若き5人組
A1Toad's Place
トーズ・プレイス
B1Water Sign
ウォーター・サイン
A2Country
カントリー
B2Rain Dance
レイン・ダンス
A3Tune 88
チューン88
B3Right Here
ライト・ヒア
A4Sparkle
スパークル
B4Lights Out
ライツ・アウト
 オビに「スペシャル・ゲスト デイビッド・サンボーン」なんて記載されちゃっています。(下の画像)


 実際にはサンボーンは参加していません。単なる誤記。
 しかしそれにしても罪な誤記ではありませんか。サンボーン目当てで買っちゃった人がいても、ちっともおかしくはありません。
 この頃、サンボーンの名前にはそれだけの商品価値があったわけです。

 今なら「サンボーンおらんやんけ!返品じゃワレ!」などと騒動に発展しかねない誤記ではありますが、当時のリスナーはおそらく、今より寛容だったのではないかと思われます。

 インターネットの祭りや炎上なんてなかった時代、怒りを気軽にぶつける相手はいないし、直接レコード店やレコード会社に苦情の電話をかけるほどでもない。
 それ以前に、苦情の電話をかけようとする自分を「ちいせえ奴だなあ」と自嘲し、自制したのです。これを泣き寝入りと言ってしまえばそれまでなんですが、消費者の側に、クレーマーになり難い精神的ブレーキがあったことはたしかでしょう。

 ところが今は、誰もがいとも簡単に、クレーマーと化す。
 企業の方でも、本来は有益なはずの「モノ申すお客」にクレーマーのラベルを貼って狂人扱いする。
 そういう時代です。時計の針を戻すことは、誰にもできません。

 さて、サンボーン目当ての人には残念きわまる本作、さわやかフュージョンとは対極にある、硬派で地味な玄人好みのサウンドです。
 フレディ・ハバードやジョー・ファレルなど、たとえサンボーンほどの集客力はないにせよ、実力派のゲストがジャジーな華を添えます。

 B2「レイン・ダンス」のフレディ・ハバードが何ともすがれた雰囲気でよろしい。そこはかとなくファンクを感じます。
★★★

The Jeff Lorber Fusion
Jeff Lorber: Prophet Synthesizers, Fender Rhodes Piano, Oberheim 4 Voice, Yamaha Electric Grand, ARP 2600 and Mini-Moog
Dennis Bradford: Drums
Danny Wilson: Electric Bass

Dennis Springer: Tenor and Soprano Saxophone
Freddie Hubbard: Flugelhorn
Joe Farrell: Flute
Bruce Smith: Percussion
Doug Lewis: Funky Guitar
Jay Koder: Jazz Guitar, Acoustic Guitar, Solo on B3

Produced by Jeff Lorber
Associate Producer: Marlon McLain
Production Coordinator: Jeffrey Ross
Recorded and Mixed At
Devonshire Studios, Los Angeles, California
Jerry Hudgins: Engineer
Ripcord Studios, Vancouver, Washington
Dave Dixon: Engineer
Mastered at Kendun Recorders
John Golden: Engineer

Photography: Trevor Brown

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